私は1人じゃない



なんですぐに暴力に行くのかな。


暴力をして人の心が動くと思ったら大間違い。


逆に心が固まって、相手の思い通りになんて絶対にならない。


頬をどう叩かれても痛い。


ママと霧野さん以外から初めて叩かれた。


みんなスカートを膝上で校則違反の明るい髪色にして髪を巻いて完全にギャル。


蓮と遊ぶような顔してる。


いや、実際遊んでるけど蓮に片想いしてるんだろうなぁ。


嫉妬しまくって私にこうやって幼稚なマネをしてるんだ。


「こんなことをして私が蓮と話さないとしても、蓮があなたたちに気持ちが向くと思う?」



分かりやすい、夜で暗いのに顔がひきつってる。


「そんなのあんたに関係ない!」
「そうだね、関係ない、けどこんなことしてまで蓮が好きになるとは思わないよ」



言った瞬間、やってしまったと思った。


普段こんなこと言えないのに口が滑った。


「ねぇ、霧野、うるさい」


霧野さんからあんた、そして霧野呼び。


本性が表れてる感じがして人間怖いなと思うよ。


そして、水をかけられた。


私何も悪いことしてない。


でも蓮にはこんなこと絶対できないから私にやるんだよね。


もうこういう暴力系には多少慣れてる………はず。


でも寒くて動けない。


「あーあ可哀想、霧野、誰も助けてくれないよ」
「こんなこと………なんで………するの」



「1年からずっとムカついてた、いろんな男子に告白されてでも付き合わないでいろんな男をもて遊んでて見てるだけでイライラしたんだよね、学校でするより修学旅行でした方がダメージ大きいと思ってさ、」



…………女の嫉妬は怖い。


人を殺すまでの力を持っちゃってる。


勘違いもはなはだしいほどひどい。


どこをどう見れば私が男子を弄ぶように見えたのかな。


思い出に残る修学旅行で悪い記憶作ってしまおうというその悪魔的思考回路が恐ろしい。


本当に寒くなって足が震えてくる。


「寒い?寒いよねー、もっと凍えて痛くなってもらうよ」


もう1回かけられて、壁にもたれてる私を離して、5人組の中心メンバーが、私の背中に鉄パイプを振り下ろす。



………ママを思い出す。




ママだけだと思っていたのに理不尽な理由でまた叩かれるなんて私は暴力される運命なのかなーーー………