私は1人じゃない




「………んっ」


歩き始めて3秒。


蓮から手を繋がれている。


しかも恋人繋ぎ。


勇斗さんと昨日した恋人繋ぎ。


勇斗さん以外とやるのは気が滅入ってしまう。


手を解こうとするけど蓮が手に力を入れてびくともしない。


「……離れてって言うんじゃねーぞ」


私が言おうとした言葉をさえぎられた。


「……どこに行くの」
「まず夜ご飯食べないとな、何食べたい」


「たこ焼き」
「俺はお好み焼き………どっちも食べるか、待ってろ」



蓮が行って買ってる間、私は蓮が取ってくれた場所で座ってる。



11月なのに花火を見られるのは嬉しい。


花火は綺麗だから何回見ても飽きないよね。


「買ってきた」


たこやきとお好み焼きが1つずつ入っている。


「ありがとう、お金払うね」
「いらねえ」


「でも頼んだのは私だから」
「いらねえってありがたくもらっとけ」


そこまで言われたら貰った方がいいよね。


「ありがとう」
「早く食べるぞ冷めると美味しくない」


たこ焼きソース味。


「あつ」
「一口で食べるからだろ」



私はたこ焼きを一口で食べるタイプ。


熱いけどタコと生地と一緒に食べたいから一口で食べるのがマイルール。


「それが好きなの」
「変なやつ」


「変で悪いね」
「一口くれ」


「いいよ」


たこ焼き一個箸に取って蓮の口まで運ぶ。


これってあーんしてることになってるよね………?


自然とやっちゃってるけど、今気づいた。


自分がやってることに気がついて、箸を置く。


「なんだよ早くしろ」
「取れば」


「あーんしようとしただろ、したなら最後までしろ」



蓮が口を開けて待ってる。


見逃してくれてもいいじゃん。


「ほらっ」
「あっつい!!」


口に入れたってよりかは放った、って方が正しい。


「やけどさせる気か」
「たこ焼きが熱いんだからしょうがないでしょ」


ざあまみろ。