2日目はクラス別行動。
蓮がいないから何も考えずに歩ける。
勇斗さんがいないのは寂しいけど、1日ぐらい我慢しなきゃ。
市場に行ってみんなお土産を買おうとしているけど私、買う人いない。
家族は完全に離れ離れになったし、
部活はしてないから買う必要ないし、
勇斗さんに買おうか迷うけど何買えばいいか分からないし、気に入らないものだったらどうしよう。
朱莉は柊木に野球部使う手ぬぐいをデザイン決めてオーダーメイドでプレゼントしようとしてるし、
七瀬ちゃんは凌に和織物のクマのぬいぐるみストラップを選んでいるし、
私何も買わないのは申し訳ないし何か買おうかなぁ。
「杏衣ちゃん、何か買わないの?」
「梨沙子先生は何か買った?」
「家族にお菓子と自分に化粧品かなぁ〜」
「そうなんだ」
「杏衣ちゃんは蓮くんにプレゼント買わないの?」
「蓮?」
「蓮と付き合ってるんじゃないの?」
学校の噂のせいだよね。
梨沙子先生何も悪くない。
悪いのはみんなの口じゃない、蓮。
全ての元凶は蓮。
「私、蓮と付き合ってない、蓮とは友達だから、友達!」
“友達”を強調する。
蓮とは友達さえも嫌だったのに彼氏になるなんてありえない。
夢でも嫌だ。
「そうなのね、蓮くんかっこいいし杏衣ちゃんとお似合いだと思うわ」
冗談でもやめてほしい。
「だったら杏衣ちゃん好きな人誰?」
「内緒」
私だけの秘密。
「そうだよね、いくら私でも言えないよね」
「……ごめんなさい」
「じゃ、どんな人?」
「………うーん、優しい人かな、かっこいいより可愛いって感じの人」
「私の好きな人と似てるわね」
「先生の元カレ?」
「そうなの、やっぱり忘れられなくてね…アタックはしてるつもりなんだけど、本人は全然振り向いてくれなくて……」
「それは大変だね」
「私が悪いからしょうがないんだけど、好きなら一途でいなきゃね」
私は勇斗さんだけを、勇斗しか見れない。
想いを伝えなくても一途に勇斗さんを好きでい続けるよ。
一緒にいたい、という意味を込めて、お揃いの箸セットを買った。


