「…………」
「…………」



一緒に夜ご飯を食べているけどお互いに無言。


放課後、俺が忘れ物をして教室に入ったら杏衣ちゃんが水樹から壁ドンをされていて、俺の足止まった。


人間ってびっくりすると体も頭も全て動かなくなる。


2人が何を喋ったかは聞こえなかったけど、俺は杏衣ちゃんの腕を引っ張りたかった。


なんとかして抑えた。


でも壁ドンは普通に喋っていたらありえない展開。


2人の間になんらかの恋模様があるってことに……


そう考えると晩ごはんのオムライスが味をしなくなる。


ダメだ、考えないようにするしかない。


でも目の前にいる杏衣ちゃんを見ると壁ドンの様子がリアルに俺の頭の中に浮かんでくる。


本当に2人は付き合ってるのか………


「………あ……「先にお風呂入ってくるね」」


杏衣ちゃんはずっと暗い顔をしている。


「俺、何してるんだよ………」


その声は儚く消えた。