「ふぁああ。眠た〜い」

欠伸をしながら洗面所に向かう少女が居た。

「紫音 ひ〜君とた〜君待ってるんじゃないの」

歯磨きと洗顔を終えて 母親の話が聞こえて

「…母さん…今何時〜」
「7時30分になるわよ〜」
「!!まって、やばい!!!!」
「…忙しい子ね、全く。誰に似たのかしら」
「お母さんに決まってるじゃないー!!!」

バタバタ音を立てながら用意を終わらせ
靴下を履きながら母親に質問する 紫音。

「朝ごはんは〜!!!」
「シュガートーストよ〜」
「お母さん、行ってくるね!!」

パンを咥えて急いで靴を履く

「紫音鍵はきちんと持ってるの?」
「は!鍵どこやったけー!!!」
「ねえ紫音?目の前にあるのは何かしらね?」
「ビクッ お母さん、行ってきまーす!!」
「朝からいい加減にしなさーい!全く!」

急ぐ様に家を飛び出し1階のロビーに向かう

「天哉ー、裕貴ー、ごめんね!!!!」
「おはよう、紫音」
「おせんだよ!お前はいつもいつも」
「…低血圧男…」
「だーれが低血圧だ!!!ボソッと言うな!」
「…まあまあ…行くよ2人とも」
「天哉が虐めてくるから助けて〜」
「馬鹿め!裕貴は俺の味方だ!!」
「…俺は誰の味方もしない…急ぐよ。」

こうして毎日の日常茶飯事な幼馴染み喧嘩が
朝から始まり一人は呆れているスタート地点。

「ねえ、2人とも…どうしてこんなに余裕なの?」
「「……。」」

確かに家を出る時7:30なると言われ
早急に急ぎ2人と合流し急いで学校へ来た。

なのに 人が余りいない 今の時間が気になり
携帯を開いた紫音の両サイドから姿を
膨らませようとしたが、時既に遅し。
ガッチリと笑顔の紫音に捕まっている2人

「どーこに行くのかな?お二人さん」
「俺トイレ行きたい…」
「…それは仕方ない…いいよ裕貴」
「あっ!おまっ!」

裕貴は、上手く逃げる事に無事成功したが
天哉は、人質となってしまった。

「紫音ちゃん…今日もかわいいね…」

天哉は恐る恐る褒める作戦に出たが…
その作戦こそが裏目に出てしまう…

「ありがとう。天哉もとーーてもカッコイイよ」

怖いほどの満面の笑みで褒め返す 紫音
紫音の一言で天哉の顔は真っ赤になった。

「へ?どうしたの天哉顔赤いけど?」
「寄るな、バカ!」
「キー!折角人が心配してんのにバカとは何よ」
「お前表現力豊かだな…キーとか言葉
漫画でしか見た事ねーよ俺。」

紫音のいつもの感じで天哉は一気に元に戻り
呆れた顔で言葉を返す。

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

「あ、チャイム!じゃな、紫音!」
「あーーー!逃げたな、天哉ー!!!」

トンッ

「ほぇ、?」
「逃げるべきなのお前だぞ?陽向〜」
「げ、先生…」

そう。逃げた天哉にばかり気をとられて
後に先生が立っている事は微塵とも
予想さえもしていなかった 紫音。
ファイルで頭をトンっと叩かれて
クラスの生徒はみんな笑っている。

「何が、げ、だよ。ほら席つけ〜出席とるぞ」
「はい!陽向急ぎま〜す!」
「お前は黙っていれる時間は、ないのか?」
「酷い!先生が話しかけてきてんじゃん!!」

先生と言い合いをするといつも
クラスは明るくなる。

「いいぞー、陽向!!!」
「もっといけー!!!」
「しーずーかーにー!本当に出席とるぞー」
「はーい」

朝の朝礼は、いつもこんな感じに過ごしてる
あたし的には、裕貴と天哉が同じクラス
だったらもっと楽しかったかな〜 て思うのに