いい策が浮かばないため、仕方なく無視することにした


「……」

なんとか抜けられるように、なるべく気配をけして、歩く



「………おい、楓、さっきから呼んでたんだけど、」

はぁ!!!!気づかれた……どうしよう…

声をかけられ、脳内で叫ぶ


「何で、ここに?湧」

メガネをかけるサラリーマン風の見た目の男

そんな人物におずおずと尋ねる


「だって、楓、心配だったから」

目尻を下げて微笑む湧

その久しぶりな過保護っぷりに思わずため息が漏れる




「?あんた誰?」

央太に気づいた湧が怪訝そうに尋ねる

その視線は射貫くように鋭い