「奏芽、どういうことだよ」
ステージ裏に移動して奏芽に問いかける

「どうもこうもありません、嬉々を悲しませた柊先輩に仕返しをしたんです」

「……それが、何で楓なんだよ」
絞り出すように声を出して睨む

「へぇ、そんな顔するんですね」
楽しそうな奏芽の顔を殴りたくなる衝動を抑える

「はぁ、磯野さんは奏芽になんて言ったんだよ、で、奏芽は楓になんて伝えた?この間の時だよ」

「……嬉々はいつもイケメンをとっかえひっかえしてたけど、結局いつも捨てられてて傷をうめるためにまた付きあってを繰り返してて、この間、嬉々が柊先輩を呼んできてと言ったんです。何でだ、と聞いたら告白大会のことだと言われたんです。おかしいと思いました柊先輩は誰から見ても楓先輩にぞっこんだし…嬉々が悲しむところは見たくなくて断ろうと思ったんです」

だんだんと下を向いていく奏芽を見つめる

「でも、お願いと言われて断れなくて、嬉々のことは好きだけどあいつの気持ちは俺にむいてなくてだから、せめて手伝ってあげようと思い楓先輩が柊先輩を振ってそして弱っているときに嬉々がつけ込めるように、なんて最低なんですけど、やっぱり楓先輩は柊先輩のことを心から信用してて信じてくれなかったんです。でも、凄く傷ついたような顔してました。やり過ぎたとは思ってます。すみません、」

長い話を聞いて深呼吸をする

「それと楓にキスしたことになんの関係が?」

「………この間見たんです、2人がキスしているところを、嬉々は頑張ってるのに、楓先輩が幸せそうな顔をしてたのがむかついて…」

我慢ができなくて一歩近づき、拳を作る

「つっ……」
そして、前、ふうがしたみたいにハラパンを食らわせた