「あ、長瀬さんちょっとゴメン」
瑛大が戻ってきて、何かを持ってまた出て行きそうだったから、声をかけようと、話を切り上げる

「あ、分かった!」



「なぁ、瑛大!」
声をかけるとわかりやすくビクッと体を震わせて眉にしわを寄せる

「…し、柊どうした?」

……よく見ると、瑛大はジャージを持っていた

「聞きたいことが……「悪い!ちょっと、待ってて!」
話を遮られたからぽかんとする

…なんなんだ?ジャージもってどこ行くんだよ…

「あ!柊先輩ではないですか!」

頭に、耳障りな声が響く

「聞いてくださいよ!…さっき、齊牙先輩が―停学期間が終わったらしくて―、私に会いに来たんです!なんだろうと思ったら、楓先輩のことを教えてくれって言われて最近は、彼氏に振られたらしくて落ち込んでるよってうそのことつたえちゃいました」

ノー天気なこえでしゃべってきてイライラがたまる

「お前さ、楓と自分どっちがかわいいと思ってる?」

想定外の質問なのか、きょとんとした後、あははと笑ってきた

「私でしょ~!皆そういうと思います!最近は~、モデルとかもやってて~是非雑誌買ってくださいねぇ~!」
ため息をついて、無視して歩き出そうとする

「え~、無視はひどい!………そうだ!ミスターコンでてくださいね!楽しみにしてま~す!」


聞こえないだろうから舌打ちをする