ーーー 突然目が覚める 紗耶 ーーー

「…ま…ま…眩しい…はぁあああ」

ぼんやりと薄く目が覚め 欠伸をする

「お嬢様、おはようございます」

お嬢様…お嬢様って言った?今

「ふぁあ〜 眠たい」

「お嬢様が…あの…マリーンお嬢様が…」

…え…今私…欠伸…しただけですよ…ね?

「マリーンお嬢様…ぇえええええ!!!」

私は鏡を見るとマリーン・テレーゼの
姿そのままになっていた…。
どうしてこうなってるの?何があったの…
あ。転生しちゃったんだ…。

理解するまでが早い紗耶だった。
いや、マリーン・テレーゼ。

「お嬢様…朝から雄叫び等はしたないですよ」

侍女の一人から言われた。
でも何か…見覚えがあるのよね…
確か………そうだ!この子兄上である
サンドラ・テレーゼの専属侍女だわ

「ハンナ・サランダー」
「…そうですが…どうなされたのですか?」
「あ、いえ、何でもないのよ、何でも、」

そうだわ。私はこの世界で
やっていかなくちゃならないんだから
気が動転なんてしてられないわ。

そう思っていたマリーンの後ろから

ガチャッ

「マリーン!!!元気だったか!!!」

ギュッ

マリーンは少し慌てたが誰かは検討ついた
そして、頬を赤く染め振り向くと
2年ぶりに帰ってきた兄 サンドラだった。

「騎士団長ともあろうお方がいくら
妹とは言え抱きつく等言語道断ですわ」

マリーンのお説教さえも懐かしく感じ
愛さえも感じニコニコと微笑む サンドラ。

「お、お兄様聞いておられるのですか」

慌てて話しを進めるがサンドラは愛する妹に
会えた幸せに浸っている為聞いていない。

「マリーンどうなさったの?っあら」
「何か懐かしいお説教が…サンドラ!?」

両親も扉から入ってき話しかけてくると
頬を膨らますマリーンの隣には
家業でもあり使命や仕事等で
帰る事が少なくなっている騎士団長
テレーゼ家の嫡男。サンドラ・テレーゼの姿

「父上、母上 ただ今戻りました!」
「「おかえりなさい、サンドラ」」

両親は誰もが羨む程の ラブラブっぷりで
家族は凄く仲が良い。
サンドラが帰った事で更に明るくなる家。

「さ、サンドラ話を聞かせてくれ」
「はい、父上」

サンドラの肩に手を回し食卓へ向かう父子

「マリーンも頬を膨らましてないで行きましょ」
「はい、お母様」

肩を寄り添い食卓へ向かう 母子

そうして、久しく家族が揃い暖かくて、笑顔で
楽しい食卓を済ませマリーンは、自室に戻る

「テレーゼ家って凄く暖かい家だなー・・・」

そう浸っているとドアのノック音がなり
誰?と尋ねるとクレアと名乗る者が現れた

「失礼致します、マリーン様
旦那様がお呼びでございます」
「え?…お父様が?何かしら…?」
「私も分からないのです…参りましょう」

そう言ってクレアと言う侍女と共に
父親の書斎へ向かったマリーン

扉の前につき ノックをするとドアを開け

「失礼致します、お父様」
「マリーンすまない、伝えなければ
ならない事があるんだ。嫌なら断りなさい」

いつになく真剣な眼差しの父親を見て
何だろうと考えながら話を聞くマリーン

「第2王子との婚約の申し出があった」
「……」

王子…第2王子と言えば…
ローマン・レミント 紳士的で優しくて
何よりも一途で気立てなく誰にも優しい
そんなローマン王子と私が!?!?