最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~

「親にこれをどう説明するべき?」


私は足を見ながら1人つぶやく。


あたりは静まり返っている。それもそうか。

こんな時間なら当然ね。


帰りたくない…な。


怪我してるのを見られたくないから。
ただそれだけ。

とはいっても行くアテがない私は家に帰るしか……。


ふと、昔のことを思い出す。

そうだ。闇姫だった頃はこんな時間でも普通に外を歩いていた。


普通に戻ってからはこれは駄目なんだと自分に言い聞かせていた。

って、この傷でどこに行くっていうのよ。


「炎帝?」

「え?」


「こんな時間になにしてんだ?」

「壱…皇綺羅(すめらぎ)くん」


壱流こそ、どうしてここに?


総長だから外にいても不思議じゃない、か。

おかしいのは一般人である私のほう。


「皇綺羅くんのほうこそ、最近ずっと学校を休んでいるみたいだけど体調は大丈夫なの?」

「そんなことより今はお前のことだろ!」


「!」

「太ももの傷、どうしたんだよ。誰かにやられたのか?」

「これは…自分でやったの」


電柱が1つもない場所。


あるのは月明かりだけ。

それなのに気付くって…。