最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~

「吸血鬼になれば死ぬことはないし、怪我をしてもすぐになおる。それに永遠の若さも手に入る」


たしかに彼の言うとおり。

人間は殴られれば痛いし、傷の治りだっておそい。老いるのは人間にとってこわいもの。


「貴様が一番欲している最強という称号も吸血鬼になれば全て手に入る。どうだ?貴様にとって悪い話ではないだろう?」


私にとって悪いはなしじゃない。


彼は私を必要としてる。


私も彼と契約を結ぶだけで最強になれる。


これが…利害の一致?


「貴様から俺様に口づけしてみろ」

「…」


ちがう。


「さっきも言った、はず。私は…貴方の言いなりにはならない!」

「ほぅ。俺様の暗示を解くとはなかなかのものだな」


「…」

「いいのか?足が血だらけだぞ」


「構わない。あのまま貴方の言葉に従うほうがいやだったから」


とっさにその場に落ちていたボールペンで自分の太ももを刺した。


泣きそうなほど痛い。でも、今はそんな弱音を吐ける状況じゃない。