最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~

「姉貴。昨日、なにかありました?」





「…なにも」

「今、目を逸らした!」


「逸らしてない」

「じゃあ、この傷は一体なんですか!」


「っ!?」


首筋に貼ってある絆創膏を勢いよく剥がされた。


「僕が気付いてないとでも思ってました?」

「…」


「クラスメイトには蚊に刺されてたとか誤魔化してたんでしょうけど、僕にその嘘は通用しませんからね」

「……」


「姉貴。なんで黙ってるんですか?」


だって、へたに心配をかけたくないから。


「この噛み跡を見れば大体の察しはつきます。姉貴、僕は本気で姉貴のことを心配してるんです」

「幻夢…」


あたたかい。幻夢は私を抱きしめた。


力強くて、でも寂しくて。

幻夢の気持ちが痛いほど伝わってくる。


「姉貴。今の裏社会は姉貴がいた頃よりもずっと危険です。だから関わってはいけません」

「…」

「今から姉貴がやろうとしてることは僕にはわかりません。だけど、なんとなく…わかるんです」


「ねぇ、幻夢」

「なんですか?」


「最近、裏社会で偽闇姫の噂が流れてるそうだけど貴方はなにか知ってる?」

「なんですかそれ」


「…知らないならいいの」


幻夢、あなたは嘘をつくのが下手ね。