「なんとか間に合いましたね。それじゃあ、本日の放課後も迎えに来……あー!」

「いきなり叫ばないで」


「驚かせてしまってすみません」

「もう大丈夫だから。それで、どうしたの?」


「今日は用事があったのを思い出して。姉貴と一緒に帰りたかったです。ううっ……」


なにも泣かなくても。


「今日は駄目でも明日は一緒に帰れるでしょ?」

「新しくできた女友達と一緒じゃなくていいんですか?」


「こんな貴方を1人にしておけないわ。なんの用事かはわからないけど無茶だけはしないで」

「怪我なんてしませんので安心してください!でも姉貴に心配していただけるなんて光栄です。それではまた!」


幻夢は笑顔を見せながら自分の教室に入っていった。


私が本当に心配しているのは伝わってないようね。


幻夢(あなた)はまだ裏社会にいるのでしょう?

だったら不安になるのは当然でしょ?


「……」


―――ガラッ。


先生はまだ来てないようね。


「闇華、おはよー!」

「おはよう。風夏ちゃん」


「闇華ちゃん、おはよう」

「夢愛ちゃんもおはよう」


教室に入り自分の席の横に鞄をかけると同時に挨拶を交わす。


昨日のは夢じゃなかったのね。私の新しくできた友達。今日も昨日と同じように可愛い……。


「あれぇ?今日の闇華の髪型、昨日と違くない?」

「え?」


「ほんとだ。今日は編み込みなんだね。
とっても似合ってるよ、闇華ちゃん」

「あ、ありがとう」


2人とも、するどい。

私なら些細な変化なんて気づかないのに。


「編み込みやってて時間ギリギリだった?編み込みってアタシでもやるのムズいのにすごいねー」

「これは……」


幻夢はそんなに時間かからないっていってたのに。


「授業始まるみたいだから後で話そうね、闇華ちゃん」

「えぇ」