最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~

「ねぇ、さっきさ校門付近で白衣姿の先生に声かけられてた人だよね?」

「え?」


「あ、やっぱりそうだ!」

「?」


なんで、わかったの?


「あなたの目って赤いから目立ってたんだよね。白衣姿の先生とさー、なに話してたの?」

「え……」


なに?あの先生ってそんなに有名なの?


「新任で名前はわかんないんだけど、イケメンな先生が新入生に声かけてるーってウワサになってたんだよ」


ウワサされるほど大した話はしてない。


でも、もうウワサになってるのか。


噂って怖い。そう感じたのは久しぶりだ。


「他の生徒がナンパしてもイケメン先生はガン無視しててー。だけど、あなたには自分から声かけにいってて。って、聞いてる?」

「う、うん」


あの先生が無視?

私には普通に話しかけてたけど。


……どうしよう。とても可愛い女の子なんだけど、ここまでグイグイ来られるのは少し苦手かも。話しかけるタイミングが掴めない。


「あ、もしかして緊張してる?
ごめんね、いきなり色々聞いちゃって」

「ううん、大丈夫」


「赤い目の人間って珍しいからさ、ちょっとした話題になってんの。でもアタシはそんなの気にしないから。あなたが嫌じゃないならアタシと友達にならない?」

「友、達……」


こんな数分しか会話してないのに友人になっていいの?


そんな軽いノリで友達ってなるものだっけ?