最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~

「姉貴と話していたら教室ついちゃいました。姉貴、僕がいなくて平気ですか?」

「大丈夫」


「もう高校生になったんですし、杞憂でしたね。新しい友達出来るといいですね!特に女の子の」

「えぇ。幻夢こそ私が隣にいないからって泣かないように」


「そんなこといわれたら抑えてた涙が……。って休み時間は姉貴と過ごしますし。ま、まさかクラスが離れたことで一切関わらないとかっていうのは無しですよ?」

「幻夢、心配しすぎよ。そんなことあるわけないでしょ?それよりも早く行きなさい。遅れるわよ」


「はい!」

「……」


幻夢に一つ、嘘をついた。


私……強がってた。


教室のドアを開け、中に入る。


すでにクラスの半分は揃っていて新しく友達になった人同士、同じ中学校だった人たちと雑談に華を咲かせている。


気のせいだろうか。


注目されてる?


私は黒板に貼ってあった番号と名前を見て席に座る。窓側の1番後ろから二番目。なかなかいい席だ。

1人でも大丈夫だと言ったのは今からでも撤回したい。


入学式は今日だというのに仲のいいグループは私の知らない間にどんどんとできていく。


これが陽キャと陰キャの違い?

このままじゃ私、教室でボッチなんじゃない?


中学の頃と同じ。
そしたら、また闇姫に逆戻り。


……駄目。1度ネガティブなことを考えるとどんどん悪い方向にいく。

へいき、大丈夫。入学式なんだから緊張してるのはわたしだけじゃない。


私から声かけてみるべき、か?でも、どう話しかけていいかわからない。舎弟は男ばかりだったから……。


中学時代は女の子とどう会話してたっけ?なんて必死に思い出そうとするも、頭の中はすでにパンク寸前。