最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~

「さすが天才サマのいうことはひと味もふた味も違うぜ」

「それを嫌味のつもりで言ってるなら、その喧嘩は乗らないよ。それに今は普通にしてるけど、君はいつ暴走するのかわからないんだよ?」


「暴走なんてしねぇよ。
そのためにお前がいるんだろ?」

「それはそうだけど……。薬で抑えてるとはいっても吸血衝動は襲ってくる。無造作に人間を襲いだして、学校で暴れでもしたら退学どころの騒ぎじゃない。
君がいる組の連中だって……って、君こそオレの話を聞いているのかい?壱流」


「説教が長いんだよ。だから、この高校に入学したんだ。闇姫がいるかもしれないって。……これがデマだったら、アイツらタダじゃおかねぇ」

「……(彼らの噂だけでこの高校を選んじゃうくらいだから君の行動力は人一倍……いや、それもこれも闇姫のため、か)」


「りゅーげん先生。
聞きたいことがあるんですけど」

「どうしたんですか、いきなり敬語で」


「…俺の教室はどっち?」

「また迷ったんですか。
……こっちですよ、ついてきなさい」


「へいへい」

「(しかし、あの赤い瞳……。あの見た目でただの人間なら彼女は間違いなく、オレと同じく特別な血を持っている。彼女は気付いていないのか?だとしたら、一人で行動するのは危険だ。どうか彼女の身になにも起きませんように)」