最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~

「安心するんです。この断崖絶壁に母性を感じるっていうか……」

「誰が断崖絶壁よ」


―――バシッ。


幻夢の頭を叩く。


「姉貴、痛いです。
こんな乱暴じゃ、友達出来ないですよ?」

「うるさい。それに学校では普通の女の子でいるつもりだし」


「普通の女の子って姉貴が!?プッ……ムリですよ、そんなの絶対に無理です!」


そこまで笑わなくても……。


「無理じゃない。私は普通の女の子として高校生活を楽しむの。女の子の友人とかほしいし」

「そういえば、姉貴は可愛い女の子をストーキングするのが趣味でしたっけ?」


「違う。ただ、可愛い女の子が好きなだけ」


私には無いものを持ってるから。

可愛い顔だったり、仕草だったり。


あとは甘い匂いとかしそう。

マカロンとかケーキとかそういうの。


当時の私は毎日喧嘩の日々だったから、服に血の匂いが染みついていたと思う。


誰も口に出さなかったけど、そう思われても仕方ないってくらいには不良やヤクザと戦っていた。