「なにをそんなに驚いている?」

「あなたは、その…高校生じゃないと思っていたから」


勝手な思い込みだったけど、話し方といい雰囲気が大人だったから。


「人を見た目で判断するな。一応、籍はあったが学校には行っていなかった。だが、貴様のいる学校なら行く価値はある。…そういえば元闇姫ではなかったな」

「それは…」


実はあれから闇姫として復活?した。

狗遠に捕まっていた仲間たちを助けたあと、どうしても戻ってきてほしいと頼まれて半ば強引に…。


毎日ってわけじゃないけれど、定期的に以前のたまり場にも足を運ぶようになった。仲間も幻夢も喜んでいるから私が闇姫に戻ったかいはある。


「闇華はお前なんかに渡さない。それにお前には夢愛とかっていう大事な人がいるんだろ?」


「夢愛は妹のような存在だから好きとはまた違う。それより闇姫、俺様と学校まで行かないか?最強吸血鬼である俺様の隣は嬉しいだろう?」

「姉貴は僕と学校まで行くんです!姉貴、今日は甘い卵焼きが入った弁当希望です。みんなも楽しみに待ってるんですよ!!」


「闇華、これからも俺の側から離れるな。お前はモテすぎて心配になる」

「大丈夫、私は壱流から離れたりしないから」


前よりも少しだけ騒がしくなった気がする。


これから先、どんなに辛いことに、壁に当たっても平気。困ったときに手を貸してくれる仲間がいる。それに、私の隣にはこの世で一番愛してる人がいるのだから。


裏社会で闇姫と恐れられていた不良少女はかつて命を救った少年である壱流と血の契約をし、吸血鬼となった。


これは闇姫が吸血鬼となり、最強総長と結ばれるまでの物語。


〜完〜