最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~

「どうして…なんでよ、元闇姫。早く壊れればいい…そしたら狗遠様も私だって幸せになれるのに」

「人を傷つけても幸せになんてなれないわ」


「そんなことない!人を犠牲にすれば私は、私と兄さんは…」

「幸せは自分で掴むもの。誰かに指図されて手に入れる幸福は本当の幸せとは言わない。
…夢愛ちゃんは狗遠とどうなりたいの?」


「わたし、私は……」


夢愛ちゃんは涙を流した。


その涙の理由は…聞かなくてもわかる。


「首輪が…」

「え?狗遠、今なんて」


「夢愛ちゃんにつけられていた見えない鎖が今…外れた」

「そう…それなら良かった」


私にはそれが見えないけれど、狗遠がそういうなら間違いないんだろう。


「私は狗遠兄さんと…幸せになりたい」

「それが夢愛ちゃんの答えなんだね。狗遠、貴方も夢愛ちゃんと同じなのよね?」


「ああ」

「2人にこんなことをした吸血鬼を私は許さない」


「元闇姫…」

「憎しみからは何も生まれないのはわかってる。だけどいつか狗遠たちを傷つけた吸血鬼に会うことがあったその時は…。狗遠、夢愛ちゃんのことは任せていい?」


「ああ、任せておけ。元闇姫…俺様たちを助けてくれて感謝する」


狗遠が穏やかな表情をしている。


…よかった。話を聞くことができて。


ちゃんと2人と向きあえたから、こうして助けることが出来た。もちろん、全部が解決ってわけにはいかないけど。