最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~

「ただの人間だったんだよ、夢愛は。だけど…吸血鬼に出会ってから操られてる」

「吸血鬼って、貴方のことじゃないのよね?」


「ちがう。別の…もっと強い吸血鬼だ。
心を壊されかけようとしている。だから…頼む。夢愛を助けてやってくれ。俺様は側にいることしかできなかった。夢愛がほんの少しでも人の心を保たせるには条件があった。俺様が…人を殺すこと。そうすれば夢愛を救えると言われた。だが、それはほんの一瞬だ」

「その吸血鬼に会ったことは?」


「あるわけないだろう?その吸血鬼は他の人間を操り俺様と接触してきたんだ。殺せるならとっくに俺様がこの手で…だが、そしたら夢愛が……」

「ごめんなさい。私、貴方のこと誤解してた」


「いや、その認識で合ってるさ。敵に情けなんかかけない最強の吸血鬼」


違う、ちがうわ…狗遠。


貴方はずっと1人で戦ってたのね。

大切な人のために、夢愛ちゃんを守るために。


感じてた違和感はこれだったのかもしれない。


狗遠は私を殺そうと思えばいつでも殺せた。

それこそ、壱流に紅い月を摂取したあの日だって。