最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~

*  *  *

「狗遠様、こっちに向かってきてる」

「元闇姫だろ。俺様が気付いていないと思っているのか?」


「誰もそんなこと言ってないでしょ?」

「なぁ、夢愛」


「なぁに?狗遠君。あ、まちがえた。狗遠様。深刻そうな顔してどうしちゃったの?まさか、ここにきて情けをかけるつもりぃ?」

「……」


「ダメダメ、元闇姫に同情なんかしちゃ。
狗遠様は最強の吸血鬼であり、最強総長なんだよ?昔から人や同胞を殺してきた貴方が元闇姫だけを特別扱いするなんてないよねぇ?」

「俺様がいつ元闇姫を特別扱いした?……手を汚してまで守りたかったんだ、夢愛のことを」


「狗遠様、なにか言った?」

「なんでもない。ほら来たぞ、お出ましだ」


「あ、やっと来たぁ。元闇姫…ううん、闇華ちゃん、1日ぶりだね♡」

「夢愛ちゃん…」


高い建物の上にいた狗遠と夢愛ちゃん。


「高いところから人を見るのって良いと思わない?まるで私がこの世で一番偉いんだ~ってそんな気持ちになる」

「……」


「なに、その目」

「私は話し合いに来たの」


「話し合い?それは総長である俺様に言ってるのか?」

「そうよ」


私は不安定な翼を制御しつつ、地上におりた。