最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~

「天羽狗遠も現闇姫も今は後回しだ。
嫌かもしんねーが、俺から離れるなよ?」

「っ……うん」


「あー!姉貴が女の顔してる!壱流さん、そこ!僕に代わってください!!そこのポジション!」

「お前はそんな大怪我で何言ってんだ?」


私は言われたとおりギュッと壱流の服を掴む。


壱流の鼓動が早い。

ううん、これは私の…?


初めてのお姫様抱っこ。ムードもなく荒い感じだけど、それでも微かに伝わってくる。


私を守ろうとしてくれる、壱流の強い思い。


「……」


今回は私の完全敗北だ。

壱流に助けてもらわなかったら今頃私も幻夢も命はなかった。


夢愛ちゃんの鋭く針のように刺さる冷たい言葉の数々、私には痛いほど伝わった。


だけど、どうしてだろう?


狗遠からも感じたあれと同じ……。


助けてって、そう聞こえるのは何故だろう。