最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~

「嫌よそんなのは」

「足手まといなんです」


幻夢、今なんて?


「今の姉貴は自暴自棄になってるし、精神も安定していない。そんな姉貴が吸血鬼やヤクザと戦うなんて無理だって言ってるんです」

「だからといって私だけが逃げるのは……!」


「姉貴、これは逃げなんかじゃありません」

「え?」


逃げじゃない?


だったらなんだっていうの?


「次の戦闘に備えての休息。時には体力を回復することも必要です」

「今は休んでる暇なんてないのよ」


「姉貴。そんなにボロボロで何を言い出すんですか?」


大怪我してるのは幻夢のほう。


私は傷一つない。

吸血はされたけど私はまだ……。


「戦える。私はまだ平気、だから」

「立ち上がることだって不可能なのに?」


「……」


わかってる、言われなくても。


「無駄話はそこまでにしてもらおうか」

「狗遠……」


「さっきから聞いていれば守るだの支え合うだのくだらない」

「くだらなくなんてない」


「負けを認めろ、元闇姫。こんなゴミ騎士が貴様を守れると本当に思っているのか?」

「ッ!?」


「幻夢!!」

「うっ……!」


狗遠は幻夢の首をギリギリと締め上げた。