最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~

「幻夢…もう、やめ、て」

「いやです!」


「言うことを聞いて!このままじゃ幻夢が無事じゃ済まない!私が我慢すればいいの。私だけが我慢して自らの血を吸血鬼たちに与えればそれで…」

「それで一体なにが変わるっていうんですか!?」


なにをいって…。


「この女の言いなりになって、僕たちの仲間が帰ってくると本当に思ってるんですか?」


え?


「この女は姉貴を絶望のどん底に叩き落したいだけ。だから姉貴が我慢する必要なんてないんです」

「な、にを」


「1人で全部抱えようとしないでください。
仲間が困っていたら助ける。僕たちはお互いに支え合う、それが家族です。
だから次は僕が姉貴を守る番です」

「そんな身体で何を言ってるの?
私は守られる価値なんて…」


「姉貴、聞いてください」


そういうと幻夢は私の肩に手を置いた。


「姉貴は誰よりも繊細で普段は辛辣ってくらい毒を吐きますけど、だけどちゃんと優しくて。僕たちはそんな姉貴だから今までついてきたんです。みんな、そんな姉貴が大好きなんです。だから守られる価値がないなんて悲しいことを言わないでください」

「幻夢…」


「別れの言葉も終わったようだし、殺っちゃっていいよ」

「うーす」


「案外歯ごたえがなかったな(夢愛の存在は元闇姫の心を壊すのに十分すぎた)」

「狗遠様もそう思います?私もちょうど同じこと思ってたところなんですよ〜」


「ここは姉貴だけでも逃げてください」


幻夢を置いて逃げる?


…そんなことはできない。

これ以上、仲間を危険に晒すなんて。