最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~

「…む……げ、て」

「姉、貴?」


上手く声が出せない。


幻夢だけでも逃さなきゃ。


はやく立ち上がらなきゃ…。


「っ……」


足に力を入れようとした。

だけど身体は私の言うことを聞かない。


なんで?どうして?


私が幻夢を助けないといけないのに。


私は闇姫。みんなを、家族を守る。

そう、思っているのに…。


「もう心が折れちゃったの?頑張る姿を私に見せて?ねぇってば」

「誰のせいで姉貴が戦意喪失したと思ってるんですか!?」


「え?もしかして本当に?元闇姫も大したことないね♡」

「闇姫さん、元闇姫は俺らが食っていいんですか?」


「好きにしたら?」

「やりぃ!」


「これ以上、姉貴の血は渡しません!!」

「死にぞこないのくせに手出しするなんて。
私、虫けらには用はないんだけどぉ?」


「……」


壊れかけの私を守るように幻夢は私の前に立つ。


こんな私…守ってもらう価値なんかない、のに。


幻夢を守れなかった。

仲間を救うことだって出来なかった。


どうして1人でなんとか出来るって、勝てると思っていたんだろう。


私は夢愛ちゃんがいうように「元闇姫」なのかもしれない。