最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる~紅い月の真実~

「降伏すれば彼女に手出しはしないのね?」

「姉貴、なにか嫌な予感がします。今すぐ逃げましょう!」


「ごめん幻夢。それは…できない」


天羽狗遠、貴方はどこまでゲスなの?


夢愛ちゃんにはこんな汚れた世界を見せたくなかったのに…。


「吸血鬼たちに貴様の血を吸わせるというのはどうだ?餌は餌らしく黙って自らの身体を差し出せ。さもないと…」

「やめて!彼女には手を出さないで」


夢愛ちゃんの首に刃物を突きつける狗遠。


本気で彼女を殺そうとしている。

今の狗遠には手加減や躊躇なんて甘い考えはないだろう。


だって彼は女子供だって容赦なく手を上げる吸血鬼だから。彼がそういう男だと出会ったときに知っていたはずなのに…。


どうしてあの時とどめを刺さなかったんだろう。


狗遠と同じになりたくない。

だけど、その結果がこれだ。


「負けましたと言ってみろ」

「負け……うっ、」


言えるわけない。

舎弟たちは今も苦しんでる。


ここで負けを認めたらすべてが水の泡になる。


どうしたらいい?

どうしたらみんなを助けられるの?