「ごめんなさい…。幻夢、お願い。今から話して。ちゃんと聞くから」

「姉貴、本当に昨日のこと何も知らないんですか?」


「え、えぇ」

「昨晩、僕の…僕らのたまり場が荒らされたんです」





「真夜中でした…いきなり男たちが僕らを襲ってきて。それで…」

「それで?」


その先は聞かなくても想像できた。


とてもいやな…そんな感じがした。


「仲間が攫われました」





「たぶん人質だと思い、ます。最後に男はこういいました。元闇姫がここに来れば仲間を解放してやるって」

「そう…だから電話をしたのね」


幻夢の話してる男はおそらく…。


「何度も電話したけど、繋がったのは一度で…結局姉貴は来ないし」

「……」


「姉貴、今日スマホを見ましたか」

「実は…」


「?」

「私のスマホがないの。目が覚めたときには手元から消えてて。幸い鞄の中身はそれ以外無事だったのだけど」


壱流がなんの意図があって私のスマホを奪ったのかはわからない。


全てを把握していなくとも少しは知っているはずだ。

電話をとったのは壱流で間違いないだろう。


だけど、それならどうして私に教えてくれなかったの?