―――次の日


「姉貴。おはよう…ございます」

「幻夢!?どうしたの、その怪我」


朝からいつも通り迎えに来てくれた幻夢。
だけど、その日は普段とは違っていて。

幻夢の身体のあちこちには殴られたあとがあった。


「昨晩は…忙しかったんですか?」


え?


「き、昨日は早めに寝てて」


隣町に行ってたなんて言えない。


「姉貴、どうして嘘なんかつくんですか」

「げん…む?」


「あれだけ電話したのに…助けを求めた、のに」

「幻夢、まって。電話ってなんのこと?」


「一度とりましたよね、電話」


それって私が?


「わかってます。姉貴がもう闇姫じゃないってこと。でも、昨日は今までとは違っていて…緊急事態だったんです」


それは私に対しての怒り?それとも…。


幻夢の手は震えていた。