「ただいま。」 玄関から 紀之の声がすると、 「あっ。お父さんだ。」 樹と翔は 玄関へ走っていく。 「お父さん、お帰りなさい。」 沙織よりも早く 紀之を出迎える子供達。 紀之は 毎日 ポケットに 小さなお菓子を 忍ばせて帰ってくる。 沙織に 見つからないように それを子供達に手渡す。 子供達は 急いで お菓子を頬張る。