「あたし、仕事で何ヶ月も家を空けることがあるから掃除してくれると助かる。料理は任せて！」

そう言われ、恋人でもない男女が一つ屋根の下で暮らすことになったのだ。

ビアンカさんは僕より三つ歳上で、大人の魅力がある女性だ。華奢な体で大きなバイクを乗りこなし、身体能力や洞察力に優れている。そんな彼女は初日に言ったように、仕事でフラッとどこかへ行って一ヶ月以上帰って来ない時があった。でも、どんな仕事をしているかは知らない。聞いても教えてくれなかった。

でも、たまに怪我をして帰って来たり、部屋にライフルのスコープが置いてあったことがあったから、危険な仕事をしてるんだろう。

そんな彼女はとても料理が上手で、レシピも豊富なんだ。シェフとして活躍できると思えるほどの腕だ。

トロリとしたチーズの入ったハンバーグ、魚介たっぷりのグラタン、ふわふわとした卵で包まれたオムライスなど、ビアンカさんはおいしい料理をあっという間に作ってしまう。料理だけでなくお菓子も作れるものだから驚きだ。