月下の少女


中に入っていけば行くほど、唸り声、狂気の声、人が殴られる音、様々な嫌な音が聞こえてくる。


耳障りは最悪で思わず眉間にシワが寄りそうだ。


私はさっきと同じように相手の急所を狙い、次々に倒していく。


戦いの間際に辺りに目を走らせると、少しずつ戦況が有利になりつつあった。


視界の隅に捉えた仲辰夫の表情はさっきと変わらず不気味な表情を浮かべたまま。


まだ何か企んでる?


この状況を見ると笑ってられるような状況じゃないと思うんだけど。


私は気がつけば戦地のど真ん中にいたらしく、周りには瑞希さん達もいた。


特に淳治さんの戦いぶりは際立っていて、今も一人暴れ回っている。


さすが特攻隊長。


みんな、とりあえず無事そうだ。


多くの関東連合のメンバーも大蛇も床に転がっている。


ここに立っているのは関東連合6割、大蛇3割ってところだ。


そのまま行けば確実に勝てる…。


でもなんなの?


この不気味な感じは…。


「月、無事か?」


「うん。そっちは?」


「一発食らったけど大したことない。ほかの幹部も大丈夫だ。」


「良かった。」


「総長は、月ちゃんの戦い見てる隙に一発食らってたよ。」


「はぁ?!お前それ言うなよ…。」


昇さんから変なカミングアウトがあり、それに瑞希さんは明らかに動揺する。


それにしてもその反応を見る限りでは余所見して一発食らったこと認めてるけど大丈夫?


「とりあえず、残り片付けるよ。」


私の声掛けに瑞希さん、昇さんさん、それぞれが背を向けて、周りの敵に向かって駆け出した。