月下の少女


「飯食ってけよ。もしくはもう食ったとか?」


「いえ、食べてはいませんけど…他人の私は空気に馴染めないというか、空気を壊してしまわないうちに退散しようかと…。」


「お前一人でこの場の空気は変わんねぇよ。お前ってそんなに場の空気変える力あんの?」


そう言われて再び場を見渡せば、このパーティーを各々が楽しみ騒いでおり、私がどんなに空気を変えようとしてもそう簡単には覆らない程、空気感が出来上がっている。


気付かぬ間に私は少し自惚れていたかもしれない。


「ほら、主役もこういってる事だし、ハルちゃんも楽しみな。今日は仕事じゃなくてハルちゃんもお客さんでいいよ。もちろん無料でね。スタッフは俺一人で十分。ほら行った行った。瑞希、ハルちゃんよろしく。」


「はい。」


いや、2人で話決着つけてるけど私は一言もいいって言ってませんよ?


というか、総長さんに敬語で話されているってことはマスターってやっぱりすごい人なんだ…。