月下の少女


「いや、一人じゃさすがに危ないだろ。」


「だからって組織のトップが現場を離れるのは良くない。私を舐めないで。これでも月下の少女って一応名は知れてるんだから。」


煮え切らない顔をしているけどこれだけは譲らない。


「夜は私の時間。瑞希さんはここをお願い。」


夜は私が守る。その代わり、他の時間は任せる。


同盟だもん。そのくらいいいでしょ?


「ハァ…。わかった。異変があればすぐに知らせろ。いいな?」


「わかった。」


私の周りは過保護が多いな。


マスターといい、瑞希さんといい、私は子供じゃないのに。


でも悪い気はしないのも事実だ。


ここは本当に居心地がいい。


「9月5日の夜はここに来る。作戦とかあるでしょ?それまで私はいつも通りに動く。」


「わかった。何かあれば「連絡ね。」おう。」


食いつき気味に答えたが、こうも何度も言われたら何を言わんとしているのかぐらい分かる。


その日はこれで解散となった。