月下の少女


「さ、主役も来たことですし、そろそろ始めますか。」


「お前らも好きだな。こういう集まり。今年はもういいって言ったろ?」


「こういうのは組織としてちゃんとやらないとしまらないだろ?はいはい、ほら瑞希もグラス持って。」


シーンと静まり返っていた空気を変えたのは幹事さん


彼もまた特有の空気をまとっていて、暖かい、優しい、でもなんだか近づきすぎてはいけないようなそんな空気


会話から察するに、幹事さんと総長と呼ばれる彼はほぼ対等な立場なのだろう。


今の場の空気を見て何も知らない私でも、彼と幹事さんがこの組織のツートップと言うことは分かった。


「関東連合創設15年と、瑞希の誕生日を祝して、乾杯!」


「「「カンパーイ!!!!」」」


グラス同士がぶつかり合う音が響き、それぞれが飲食を楽しみ始めた。