月下の少女


私には病気という大きなハンデがある。


好きで一匹狼を気取ってる訳では無く、そのハンデを他人に一緒に背負って欲しくないのだ。


話を聞く限りでは、大蛇という組織は見境ない集団だ。


そんな奴らに朝も昼も夜も関係ない。


私は、夜しか動けないのに…。


「春陽に、何らかの事情があるのは百も承知だ。夜しか動けないんだろ?」


「そうです。私は夜しか動けない。そんな私は足手まといになりませんか?」


「じゃあ、夜に動けばいいじゃねぇか。」


「はぁ?」


何当たり前のことを言ってるの?


思わず素っ頓狂な声を上げてしまい直ぐに口を閉じた。


「夜しか動けねぇんだろ?じゃあ夜動けばいい。24時間ずっと動いてるやつなんていねぇんだからよ。春陽の場合動く時間が夜なだけで他の奴と対して変わんねぇよ。春陽が動けねぇ時間は俺らが動く。それでいいじゃねぇか。ダメか?」


単純なことを淡々と述べた瑞希さんは、迷うことなくそう口にした。


他の奴と変わらない…か…


そんなこと生まれて1度も思ったことなかった。


なんで私は他の子ができることができないんだろう。
なんで私は普通じゃないんだろう。

そればっかり考えて生きてきたから。


そっか。
変わらないのか…。


「ダメ…じゃないです。分かりました。同盟、組みましょう。」


「よろしくな。」


「はい。よろしくお願いします。」