月下の少女


2人はたまり場に向けてゆっくり歩き出し、私は2人の5歩後ろを着いて歩く。


「なんでそんな離れて歩くんだよ。」


「隣を歩く方が私には不自然です。ちゃんとついて行きますので気にしないでください。」


関東連合のトップと肩を並べて歩くなんてそれこそ変だ。


この距離ですら危ういと感じているのにこれ以上近づきたくはない。


それくらいすごい人たちだから。


関東の正統派暴走族を取り纏めている人。


不正を起こした暴走族は片っ端から追放されると聞く。


そんなすごい人達がなんでこんな小娘に構うのか謎だ。


意外と暇なのかな?



2人に着いていきながら、そんなことを考えているとあっという間にたまり場に到着した。


「着いたぞ。今日はちょっとした会議があってな。それに参加して欲しい。」


「私がですか?そんな大事そうな場に立ち会って大丈夫ですか?私が他の族に漏らすとかは考えないんですか?」


情報をリークしたりはしないけど、管理的に大丈夫なのか?


「俺の目には春陽がそんなことするやつには見えない。だから大丈夫だ。」


目の前の自信満々な瑞希さんは一点の曇りもない言葉で返してきた。


これは、何を言っても無駄だな。


「分かりました。」


「ほら、みんな待ってる。行くよ。」


昂さんの声掛けに小さく頷き、私は初めて関東連合のたまり場内に足を踏み入れた。


外見は普通の倉庫。中身も普通の倉庫だ。


奥の方に扉が1つあり、そこが幹部室


手前の広場的なところには関東連合のメンバーがたむろしている。


中にはテーブルや椅子、バイクがチラホラ置いてある程度で意外にも整理されていた。