その言葉を聞いた淳治は食べる速度を上げ、あっという間に残りの料理を平らげた。


数品あった料理はすべて綺麗になり、お皿をまとめて淳治がそのまま台所に持っていった。


暫くすると、食器を洗ったのか腕まくりをした淳治が戻ってきて、ようやく全員揃った。


「雪也、話を聞こう。」


「うん。まだ、情報も曖昧だけど、幹部にだけは早めに共有しておこうと思って。」


「なんだ?」


淳治は既に眉間にシワが寄っており、昇も険しい表情をしている。


「ここらに新しいチームができるそうだ。それも正統派を目の敵にするチーム。俺らが潰したチームの奴らが新たに作るチームらしいけど、まだトップが誰なのかも目的は何かも全く掴めてない。ただ、これから関東連合が狙われる可能性は十分にある。だから、警戒するように。」


「俺らが潰したチームなんてどんだけあるんだ?」


「ざっと5チームはあるだろうね。」


「それが集まるって?まずいな…。」


戦力はウチが勝る。

だが、人数の武器は負けるかもしれないな。


「わかった。雪也は何か進展があり次第直ぐに伝達してくれ。」


「わかった。あともうひとつ。」


「なんだ?」


「春陽さんも危ない。集まったチームの中には月下の少女が潰したチームも含まれるし、一人じゃ限界があるでしょ?」


関東連合だけが狙いじゃないってことか?


「そうだな。折を見て俺が春陽をここに連れてくる。守るぞ。この街を。」


「おう。」「うん。」「だな。」


昇、雪也、淳治は先程までとは打って変わって正義感に満ち溢れた顔をしていた。


動きがない以上、雪也に情報を集めてもらう他ない。


溜まり場にいても大してやることがなく、俺は一度帰ることにした。