目が覚めると、昼をすぎており、空腹感を感じた。


そう言えば朝からなんにも食ってねぇな。


「あ、瑞希起きた?淳治が飯作ってくれたけど食べる?」


淳治の飯か。


淳治は厳つい見た目に反して器用に料理や家事をこなせる。


主夫かと言ってやりたいくらいだ。

「食う。腹減った。」


「そう言うと思って準備してもらってる。春陽ちゃんからは音沙汰無し?」


俺は昇からの言葉を聞き、再度スマホを確認したが、メールの受信歴は相変わらずなかった。


「あぁ。」


「そっか。」


「お、瑞希起きたな。飯作ったから食えよ。」


すると、淳治が台所から出てきて既に盛り付けられたチャーハンやら餃子やら何やらたくさん運んできた。


作りすぎじゃねぇか?


まぁ、食えるか。


俺と同じく寝ていた雪也も起きてきて幹部全員で昼食をとった。


うまっ。


「淳治は見た目によらず料理は繊細だね。」


「雪也、一言余計だ。」


「ホントのことでしょ?」


寝起きの雪也は毒を吐きながら黙々と目の前の料理に食いついている。


その毒に淳治はやや落ち込んでいるが、やけ食いのように箸が進むスピードが上がった。


単純なヤツだな。


俺は自分のペースである程度食べ終わると、淳治以外はみんな食べ終わる頃だった。


「なんだ?もう終わりか?」


まだ食べ続けている淳治は、まだ食べるのかと言いたくなるほどの食の良さだ。


「十分食ったよ。美味しかった。ご馳走さん。」


「ご馳走様。」


「おぉ!」


「ほんと、よく食うよね淳治は。」


「そう言う雪也はもっと食え。食わねぇからそんな細いんだ。」


「俺は喧嘩もしないし、ガッシリする必要ないでしょ?」


「まぁ、それもそうだな。」


「そんなことより、淳治が食い終わったら話あるからそのまま皆残っててよ。」


「話?」


「うん。ちょっと厄介事。」


雪也が厄介事と言うってことは相当厄介だ。