意識が浮上するのを感じ、私はゆっくり目を開けた。
何時…?あー、もう4時半だ。
そろそろ片付けてしまわなきゃ。
私は床に脱ぎ捨てていたエプロンをもう一度身につけ、手櫛で髪の毛を軽く整える。
部屋の外に出てもさっきまでの騒がしさは感じず、パーティーはお開きになっているのだとここからでもわかった。
私は店に続く階段を上がり、仕事モードに頭の中を切り替える。
店の裏手から店内に入ると電気が消されており1人の男性の影が見えた。
マスターだよね?なんで電気消してるんだろ。
私は店内の電気をつけ辺りを見渡した。
「え。」
電気をつけて気づいたのは、目の前の男性が、総長さんであること、あと酔いつぶれた男たちが何人も雑魚寝していることであった。
「戻ったのか。こいつら寝ちまったから暗くしてたんだが、片付けるんだろ?手伝う。」
総長さんも沢山お酒飲んでたけど、顔色ひとつ変わっていない。
ほんとにお酒強いんだ。
というか、マスターは?
「あの、マスターは…?」
「あぁ。公弥さんなら一旦帰って昼前にまた来るってよ。ちなみに幹事の昂もある程度飲んだら帰って行ったしな。流石に2人ともこいつらのバカ騒ぎに付き合ってたら疲れたらしい。」
「そうなんですね。あの、総長さんは帰らないんですか?」
「俺?あー、俺はちょっと用事があったから残ってた。」
「用事?じゃあ、皆さんが起きるのを待つしかないですね。私ひとりで片付けてますからゆっくりしていてください。」


