「疲れた…。」
漆黒の部屋
地下にあるこの部屋では外の日差しを一切感じることはない。
時計がなければ時間なんて分からない。
また、黒を基調とした家具で明るさの欠片も、女の子らしさの欠片も感じない。
そんなこの部屋が私の唯一気の抜ける場所だ。
この部屋にある唯一女の子らしいものと言えば、大量に置かれた日焼け防止グッズ達
所狭しと並べられたそれらはまるでドラッグストアのようだ。
それらを目の端に捉えつつも私はエプロンを脱ぎ捨ててベッドに横たわった。
目をつぶってみると、思い出すのはさっきのパーティーの様子。
関東連合、暴走族のトップの集まりなのに意外と平和な空間だったな…。
暴走族のトップってあんなに優しいの?
確かに皆を引きつける圧倒的なオーラはあったし、鋭い眼光は誰にもマネはできないだろう。
周りのメンバーも総長さんに親しげに話しかけていたし、仲のいいチームなのかな?
それにしても非道の欠片も見えなかった。
今の暴走族ってそんな感じなのかな?
私が世界を知らないうちに、世の中変わっていってるんだなぁ…。
今、何時なんだろ。もうすぐ2時か。
あと3時間もすれば日が昇る。
それまでにはパーティーも終わるよね?
また、その頃片付けに行こう。
そう思い、一度疲れた体をベッドに沈めた…


