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それから私は脳波に異常が無いか病院で1週間検査入院をする事になった。
こじんまりとした白い部屋。
入院初日に付き添ってくれたっきり、水南斗はここに来ていない。
そのせいで、1人で色々記憶を辿りながら、思い出せるだけの事の全てを考えていて。
すごく不安になった。
もしかしたら、記憶の戻った私に安心して水南斗はもう離れて行ってしまったのではないか。
もう自分を偽ることはしなくていいもんね。
1度も病室に来てくれない水南斗に対して悪い考えばかりが脳内を駆け巡る。
不安で不安で
どうしたらいいの、「どうしよう凪」
ああ・・こんな時でも
出てくるのは凪なのか。
「俺に聞け」
「え?」
聞き覚えのある声。
その方向へ目をやると、そこには水南斗が立っていた。
でもその顔はひどく仏頂面で。
「まだ凪兄ぃかよ」
その言葉に、私のさっきの言葉が頭の中では無く、発していたことに気づく。
「や、だって、その
水南斗、全然来てくれないし、だから・・っ」
否定の言葉は涙でうまく出てこない。
「明日、異常が無かったら退院できるだろ」
「そ、そ-ゆう問題じゃなくてっ」
ぱふ
「?」
水南斗の大好きな大きな手が私の頭の上に乗っかった。
「結婚するぞ」
「・・へ・・?誰と?」
パーだった手の平がチョップに変わった、
「いったっ」
頭を押さえる私、まるで思考回路が追い付かない。
「舞の記憶が戻った時点で、今まで通りって訳にはいかないって仙に言われてさ。
まぁ親子でもなければ、血の繋がりもない男と女だし。でも俺はこれからも舞と一緒にあの家で暮らしたい」
「・・・え」それって
「だから、もろもろの手続きはしてきた。んまぁ、そんなんで中々病院に来れなかったんだけど。」
「・・・手続き?」
次に私の口から出た言葉はソレだった。
「ん。元々、舞は養子縁組の手続きはしていなかったから、そっちはいいとして、
苗字の改正とか、親の承諾とか」
「あ・・のぉ・・私の意見は?」
片手をあげて聞いてみる
「ほ・・お」
はぁぁっっっ!!上から蔑む眼差ししてきたよっ
そうだ元々水南斗はこーゆうキャラだったっ!
「すびばせん」←すいません
「ま、それは置いておいて」
つかやはり私の意見はスルーかよっ!
「実際、結婚は舞が高校を卒業してからになるけどな。法改正もあるし。」
「法改正?」
「・・六法どころか時事問題まで疎いな」
完璧にバカにれていた。
「とりあえず、婚約だけしておく形で、おさめた。」
「はぁ」
あ・・れ
なにか・・
私、16歳になった時、何か喜んでた・・。
なんだっけ?
16歳になったら、やっとやっと出来るって・・。
え・・っと。
それはすごく素敵な事で、ずっと思い続けてきた事で、
それは・・
「・・結婚」
「ああ」
「結婚する・・出来る」
「ああ」
「凪と」
「ああっ?」
え?
その後は想像にお任せします。
3年後、キレイな鐘の音を響かせて。



