君の胃袋を掴む


「そんな、こと、言ってないでしょ!」
「でももうご飯作らないってそういう事になる」
「ならないでしょ……。私以外の人の作ったもの食べて生きていけば良いって話で」
「出来ない」
「雅宗にはそうしくれる子が一杯いるでしょう」
「小梅ちゃんじゃなきゃ嫌だ……」

口から、溢れそうになる。
いや、溢れる。

玄関で、こんな風に覆い被さって懇願する男に。
私は勘違いを何度もして。

「私が、雅宗を好きだから」

その肩を押す。退いて、と意味を込めて。

嫌なの、ごめんね。

と、続けようとした。

「僕も好きだよ?」

桃が好き、と同じくらいの軽さ。