それを聞いて、高校の時を思い出す。
最初に交わした約束。
「でもさ、自分の我儘ばっり通しても人間としてだめじゃん? だから今まで約束だけは守ってきたんだけど」
雅宗の手が動き、私の身体は更に倒れた。
「ちょっと、待って」
「なんで?」
「近いから」
「僕、小梅ちゃんが居なくなったら餓死するって言ってるのに」
言葉の噛み合わなさに、私が焦っているからなのか雅宗が錯乱しているからなのか分からない。
「小梅ちゃんは、僕が死んでも良いんだ」
悲しげに、少しだけ泣きそうな顔で、長い睫毛が視界に映る。
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