君の胃袋を掴む


「……知り合い?」

隣に立っていた大湖が雅宗を見て尋ねる。

「えーっと……」
「僕、鍵失くしてさ」

私が説明するより先に雅宗が口を開く。
後ろの方で、二次会の話があがっていた。

「小梅ちゃん持ってる?」
「え、いや、家にある」
「そ? じゃあ一旦家行こ」

鍵とお金の入った封筒。
雅宗が立ち上がり、居酒屋の外に設置されている灰皿に煙草を擦り付けた。

階段を下りきると、手を掴まれる。

その手の冷たいこと。

大丈夫か、と反対の手でもその手に触れる。

「じゃあ小梅ちゃん帰るから」

雅宗が私の代わりに言った。