君の胃袋を掴む


私が寝坊して作れなかった日は文句のひとつも言わなかったし、ハチ公のように部活が終わるのを待っていたし。

そんな姿に、絆されていたのかもしれないし、可愛げがあると思ったのかも。

会いたいな。
なんて、もう遅いか。

良い時間になり、飲み会はお開きになった。
支払いを終えて、店の外に出る。

希帆は同じ学科の友達の腕に絡んでいる。私は大湖と知っている教授の話をしながら階段を下りた。
外に出ると、夏の夜の匂いがした。

それと、煙草の……。

正面のガードレールに腰掛ける姿。
通りがかりなのか、女性二人に声をかけられている。

「暇じゃないよ。人待ってる」