君の胃袋を掴む


雅宗の姿は見当たらない。

「まだ来ないねー」
「みたいですね。ストーカーでは無いです、ファンでもないと思うけど」
「今日は何食べるかね」
「クリームパスタですかね……」

てきとうに返した。

女の子を連れて来るくらいなら、その女の子に作ってもらえば良い話じゃないのか。

そんなことをぐるぐる考えながらフライパンを振った。

「正解だったよ」

ひょこ、と店長が厨房に顔を出す。

「きのことほうれん草のクリームパスタとカレーも食べたいって」

……フードファイターにでもなるのか。

思わず笑ってしまい、炊飯器を開けた。