君の胃袋を掴む


雅宗は静かに、椅子を立って、行ってしまった。

テーブルに残された封筒が最初に目に入る。
持って立ち上がるも、姿は見えない。

「……大丈夫?」

希帆が私を見上げて尋ねる。

「あ、うん、なんかごめんね。巻き込んじゃって」
「いやあたしが勝手に色々言ったのが……ていうか、雅宗、大丈夫?」
「前にも話したでしょ、他に作ってくれるひと沢山いるって」

封筒を置いて、椅子に戻った。
強く握って、皺が出来てしまっている。

「じゃなくて。すごい顔してたから」
「顔?」
「なんかめちゃくちゃ無表情で、怒るっていうか凹んでるっていうか」