君の胃袋を掴む


私はお金以外に、何が欲しかったんだろう。

「料理作りに行くの、やめる」
「なんで? 忙しいなら待つよ」

その言葉に合点がいく。

雅宗は最近私が行かないのは、忙しいからだと思ってる。返信しないのも、同じ理由だと。

「いや、そうじゃなくて。永久的に、やめたいの」

封筒を本人の方へ戻す。中の鍵が動く。

「なんで?」
「なんでって」
「嫌だからやめたいって言ってんでしょ」

希帆が援護してくれる。雅宗の視線が希帆に移った。

「嫌って、僕のことが嫌いってこと?」
「それは知らないけど」

どこまでも正直だ。