君の胃袋を掴む


違う大学だというのに、わざわざここまで来る理由が、私以外に思い当たる節がない。いやもう、私のことを捜している時点で決定的だけれど。

「で、来週の土曜日なにあんの?」

私の椅子の背もたれを掴みながら尋ねる雅宗に、答えない私に気付いて、希帆が口を開く。

「飲み会。男女が集まる」
「何それ合コン?」
「まあ出会いの場みたいな。小梅とそれに着てく服どれにするか見てたの」

その言葉に「へー」と興味なさそうに返答した雅宗が、思い出したように動く。

ポケットから出した封筒を私に差し出した。

「これ来月の食費と、鍵」