君の胃袋を掴む


鞄からサンドイッチを出しながら、希帆がこちらを見る。

「雅宗、大丈夫?」
「え、なんで」

驚いて、少し声が裏返る。
返信内容を考えていたのを思い出した。

「小梅が彼氏作らないの、雅宗がいるからだと思ってたけど。違うの?」
「そんなのは考えてなかったけど……確かに彼氏できたら、もうご飯作りに行けないよね」

いや、行かなくて良くなる、のか。

鍵を置いてきたのは、もう行かないつもりだったからだ。

良い機会だ。彼氏が出来るかどうかは兎も角、交友関係を広げるのも悪いことじゃないと思う。